2011年1月11日

固定金利ローンの急激な利上げ

要約すると、ウェストパックのエコノミストが、現在平均よりも低い金利となっている固定金利ローンが急激に上昇する可能性について警告している。ただし、なぜかこの記事だけはどの紙上も経済面でトップで扱っていた。なので、何か意図的なものを少々感じる。

固定金利が低いということは、当然ながら変動性金利も低い。そのため短期~中期であれば支払う利息は変動性金利のローンのほうが少なくてすむ。

現在の多くの銀行などで扱っているローンにおいて、変動性ローンの金利は6.2~6.5%で、2年の固定金利が6.6%、3年の固定金利が7.1%になっている。

この記事では、たとえば向こう2年間において、今後の景気次第では、現在低い金利である固定金利がかなり急激に上昇する可能性があるので、もし変動性金利から固定金利に変更するなら、早い時期がいいのではないかと勧めている。準銀のボラード氏が今年の6月くらいにOCRの見直しを明言していることから、現在の3%を越えるだろう(上がるだろう)とはいわれているが、それよりもローンの金利が上昇することを既成事実にしてしまいたい、という銀行の思惑も見え隠れしているようで、どこかすっきりしない。

たしか1980年代のニュージーランドのホームローンは20%を越えていた時期があり、銀行がかなりの暴利を得ていた時期がある(いま確認すると、1976年から1992年まで10%を超えていて、1986年や1987年においてしばしば20%を超えていた)。

ここ10年ほどは6~10%を推移していて、ここのデータを参照すると2007年初期から2008年後期まで変動金利が10%を超えていた

注目すべきは、やはり直近の2000年代のデータで、もしこの記事のとおり近いうちに固定金利が急激に上昇することになるということは、2004年あたりの景気が浮揚し始めた時期と重なる。2004年1月のOCRが5%で次第に上昇しており、このときの固定金利が7%後半、変動性金利が8%。現在のOCRが3%。単純計算で考えると、急激に増加するときが来たときの固定金利が8.2~8.5%、変動性金利が9.1%あたりになる。現実的に考えたとき、OCRが一気に半期で5%へ上昇することは考えにくいので、固定金利で7%前後で落ち着くのではないかと予測できる(ただし年度末に5%になる可能性はある)。なので、今年金利が上昇するならばそれはOCRの動きではなくて、むしろ銀行がそれを誘発するような気がしてならない。

さらにもっと穿った見方をすると、銀行にとって固定金利のローンのコントラクトが増えれば安定した収入先を確保できる。そして、向こう数ヶ月のうちに金利が下がった場合、たとえば2年の固定金利のローンを組んでいて、そのコントラクトのあと数ヶ月のうちに金利が1%ほど下がったとき、またはローンの書き換えのペナルティを払うほどの差が出ない場合(2年固定金利のコントラクトは原則的に2年間かえることができないのでペナルティを払うことになる)、固定金利による差額は顧客が損をして銀行が得することになる。

どんな形であれ、ローンを組む人々が増えるということは、銀行が投資できるお金をもっとたくさん確保できることになる。なので、前述のとおりこの記事では、ローンの金利が上昇することを既成事実にしようとしている銀行の意見を代弁しているように思える。つまり現時点において固定金利の顧客を確保するのは銀行にとって不利な問題にはなりえない。

もしOCRが3%よりも下がる場合、それはさらなる景気の低迷を意味しており、うわさされている2番底の懸念が現実問題になってくる。そのときに銀行が現行の利息よりももっと低いレートで利益を出せるのか?結果的に金利で苦しむのは顧客であって、銀行ではないように思えてくる。

ネタ元:http://nbr.co.nz/article/economist-warns-fixed-mortgage-rates-could-rise-quickly-er-83504

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