2011年5月25日

パイクリバー - お金の問題ではない

標題では、政府がパイクリバーで必要とされる、遺体の搬出作業にかかる費用を捻出することができるはずだ、と述べています。


数ヶ月前の記事を見ると、政府はこのパイクリバー(会社)へ一切の法務費用を肩代わりすることを当初から約束していましたが、このサポートには、遺族のための、そして遺体の搬出にかかる法務費用は含まれていなかったようです。先週、遺族のひとりが(遺体を奪還すべく)弁護士を雇ったことが報道されていましたが、このジョン・キー首相の歩み寄りは、明らかにこの報道を受けての反応にしか見えません。

"In due course, I'm happy to look at proposals that might be put up. I'm not ruling out putting in money. I've always said it's not an issue of money.

そのうちに、私は実現可能な提案を見ることができるなら幸せだ。私はお金の使い道についてルールを決めようとしているのではない。いつも言っているように、それはお金の問題ではない。

"If there is a credible proposal that is safe and we think there is a high degree of probability that it would succeed, then the Government is quite happy to look into putting money into that."

もしそこに任務が安全に遂行できることを証明できる提案、そしてそれが成功の可能性が高いものだったとしたら、政府はその提案に資金を投入するのをまったくいとわない。

Mr Key said the safety of the people who are going into the mine was paramount.

キー氏は炭鉱内へ立ち入る人々の安全が最重要だと述べている。


なぜこのような、切れの悪い表現でサポートを表明するのか?

やはり今までの経緯において、最初に割り当てられた予算で実施された手段はすべて失敗しているか、さらなる経費が計上されており、お世辞にも効果的な手段は講じられていないのが主な理由だと思われます(遺族からの視点だと、これらは失策以外何ものでもない)。

(もう少し深くパイクリバー事故を理解するため)Stuffに過去の時系列が簡潔にまとめられていたので、それを参照すると、


TIMELINE

時系列

NOVEMBER 19, 2010

2010年11月19日

3.44pm: A blast lasting 50 seconds is recorded on the Pike River mine's closed-circuit television.

3.44pm: 爆風が50秒間もの間、パイクリバーに設置されていた有線テレビに記録された。

5.00pm: Blast survivor Daniel Rockhouse contacts the Pike River control room using a mine telephone and advises of the explosion.

5.00pm: 爆風からの生還者、ダニエル・ロックハウスさんがパイクリバーコントロールルームへ炭鉱内の電話を使い(接触し)、爆発をアドヴァイスした。

5.26pm: The only men to survive the explosion, Rockhouse and Russell Smith, emerge from the mine.

5.26pm: 爆発から生還し炭鉱から出現したのは、ロックハウスさんとラッセル・スミスさんだけだった。

NOVEMBER 24, 2010

2010年11月24日

A second explosion rocks the Pike River mine.

2回目の爆発がパイクリバーを揺らす

NOVEMBER 26, 2010

2010年11月26日

A third explosion hits.

3回目の爆発が発生する

NOVEMBER 28, 2010

2010年11月28日

Flames shoot out of the mine after a fourth explosion.

4回目の爆発のあと火炎が打ち上げられる

DECEMBER 1, 2010

2010年12月1日

The Gorniczy Agregat Gasniczy (GAG) machine begins pumping carbon dioxide into the mine to quell fires.

GAG機材が持ち込まれ、火を鎮めるために炭鉱内に一酸化炭素を注入し始める。

DECEMBER 2, 2010

2010年12月2日

A national memorial service is held for the victims of the disaster in Greymouth.

グレイマウスで被害者のための国葬が行われる。

DECEMBER 13, 2010

2010年12月13日

Pike River Coal put into receivership.

パイクリバーコールが管財人管理下へ

JANUARY 9, 2011

2011年1月9日

Fluctuating gas levels delay an attempt to use expanding foam to seal cracks around a secondary shaft.

ガスレベルが大きく上下し、2番目のシャフト周辺の割れ目を埋めるエキスパンディングフォームを使う試みが遅れる。

JANUARY 12, 2011

2011年1月12日

Families of the dead miners start their own investigation into the cause of the disaster.

炭鉱内で死亡した従業員の遺族たちが、悲劇の原因の調査において、彼ら自身で調査を始める

JANUARY 13, 2011

2011年1月13日

Police announce they are stopping the effort to recover the remains of the 29 men killed inside the mine.

警察が炭鉱内で残されている死亡した29の遺体の搬出の試みを断念することを公表する。

JANUARY 14, 2011

2011年1月14日

Prime Minister John Key says the Pike River mine will be sealed, and there is little chance the bodies will be recovered.

ジョン・キー首相はパイクリバー鉱山は封印され、遺体が搬出される可能性はわずかしかないと述べた。

JANUARY 27, 2011

2011年1月27日

At an inquest in Greymouth, Chief Coroner Neil MacLean said he was satisfied it proved the 29 men could not have survived the first blast on November 19.

グレイマウスのインクエスト、チーフ検視官ニール・マックリーンは、11月19日の最初の爆発で29人の従業員は助からなかったとの最終結論に満足している、と述べた。

APRIL 28, 2011

2011年4月28日

Police announce a senior forensic pathologist had confirmed a video image taken in February looked like a fully-clothed person lying face down in the mine.

警察はシニア法医学者が2月に撮影されたビデオ画像において、鉱山内で完全な状態で服を着たまま、うつぶせで倒れている人が写されていることを確認した、と述べた。

MAY 11, 2011

2011年5月11日

Families of the 29 men killed in the mine are told by police that video footage may show a second body inside the mine. The images also show a firefighting box had been opened, suggesting some of the 29 miners might have survived the first blast on November 19.

29人の遺族は、ビデオ映像から炭鉱内に2人目の遺体があることを警察から知らされた。またこの映像では、消防用具の箱が開けられているのが写され、これにより、29人のうち数人は11月19日の最初の爆発から生き延びていたことを証明した。

MAY 23, 2011

2011年5月23日

A meeting in Christchurch announces a staged recovery plan to enter the mine and retrieve the bodies.

クライストチャーチでのミーティングにおいて、鉱山内に立ち入り、遺体を搬出する段階的なリカバリープランが公表された。

注: この時系列においてあのバッテリーが上がってしまった最初に投入された遠隔撮影ロボの記載がないようです。


最新の記事では、現在炭鉱内に充満しているのは窒素のようです。

The entrance tunnel is currently full of nitrogen, to prevent any further explosions, but once the entrance has been made airtight a series of air locks will be constructed at 300 metre intervals to pump the gas out and oxygen back in.
 

また、一酸化炭素の濃度も高いままになっているようです。

A plan to start re-entering the Pike River Mine has been delayed due to high levels of carbon monoxide in the tunnel.


爆発が起きたときから立ちはだかる、たったひとつの大きな問題 - それは鉱内に残る可燃ガスで、これが炭鉱内での作業に簡単に踏み切られない最大の理由になっています。つまり、遺体を搬出するにも炭鉱内の可燃ガスが完全に中和され排出されない限り、少なくとも人間が炭鉱内に立ち入ることができません。政府は、この有害なガスを排出するため、オーストラリアからGAGを取り寄せ、数日間かけて炭鉱内の空気を正常化させようとしていましたが、機材が故障したり、また長期に渡る使用から、運営にかかる費用がかさんだため中断を余儀なくされたり、結局は予算の無駄遣いで終わってしまった事実があります。


だから、ジョン・キー首相は、炭鉱内の作業に100%の安全があり、任務が100%遂行できる提案があれば検討したいと答えています。少なくとも現時点において、それらを満たす提案は受けたことがない、と彼は述べています。


ちなみにパイクリバーは民間会社なのでこの事故処理(遺体の搬送)にも責任があると思われていること(搬出費用は埋蔵されている石炭の売買で捻出できるという見方)、そして会社はすでに清算されたため政府が(代わって)支払うという見方があるようですが、そうではなく、(あくまで記事を確認する限り)もともと遺体搬送は警察の仕事であり、(政府がその資金を惜しまないといっているその根拠は)彼ら警察の任務を完了させるための政府支援となるようです。これであれば、予算枠を大きくとることができるので、現実的な考え方だと思います。

いずれにしても、早い時期での遺体救出が成功することを祈りたいと思います。

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