2011年10月31日

ジョン・キー VS フィル・ゴフ

TVONEのブレックファストの投票結果(1日)が公表されています。

フィル・ゴフ 50.3%

ジョン・キー 46.2%

いま思えば、ジョン・キーは話し方をいつもの記者会見のようにゆっくりとはっきり話すべきだったのに、(人々がみかけることがない)議会のときと同じように、時として慌てたような振る舞いや、荒々しい物言いをしていましたが、それを引き出したフィル・ゴフの老練なディベートの戦術に飲まれていたので、純粋にディベートだけを評価すると、フィル・ゴフがもっとポイントを稼いでいたのではないかと思います。

ちなみに、ペトラは労働党、コリンは国民党を支持しているようで、コリンはジョン・キーを擁護していたものの、ペトラの指摘があまりに的確で、彼のやりようのないいらだちがなかなか面白かったように思います。

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今晩7時から放送された、ジョン・キーとフィル・ゴフとのディベートについてひとこと。あくまで観たままの感想です。ディベートの内容はあらためてアップしたいと思います。

ディベートが始まる前に思ったのは、フィル・ゴフの顔色はよく、口調も物腰柔らかで少々興奮していたのに対し、ジョン・キーの表情になぜか一抹の緊張がみられ、声が上ずっていたので、ちょっと力が入っていたのではないかと思います。

ディベートが始まった直後はどちらも、紳士的にお互いの意見を聞き、持論を展開していましたが、ジョン・キーが問題からわずかに外れた回答をしたり、誇張を伴う意見(または誤解を与えかねない意見)を発したとき、フィル・ゴフが彼の弁論を遮るように、大声を出し反論をしていたことが、ちょっと気になりました。彼のあの行動はどうみても大人気のないもので、政治記者ガイアン・エスペナーが彼を制止しようとしても、彼がその無用な反論をすぐにやめなかったのは大きなマイナスだったように思います。ガイアン・エスペナーは、あなたにも時間は与える、この質問を終えて次の質問を聞かないと時間がない、とはっきりと制止する理由を明言していたのに、それをかき消すように大声を張り上げるのは、完全なマナー違反です。自分の番が与えられたときに、はっきりと、持論を主張すればいいだけのことです。

ちなみに、今回ホストを務めたのはガイアン・エスペナー、彼はTVNZの唯一の政治記者なので、ニュースで彼を観たことがある方は多いと思います。前回、クロースアップ(Close Up)のホストを務めるマーク・ザインズバリーが、ヘレン・クラークとジョン・キーのディベートのさいにホストを務めましたが、前回のディベートと比べると、ガイアン・エスペナーの采配が段違いで優れていると思います(ところどころ神業に近い、気の利いた言葉で双方を制しています。これはマークができなかったことで、彼はヘレン・クラークの意図を読むことができず、火を消し止めなければならなかったのに、油を注いでいました)


今晩のディベートを、番組でもこのように紹介されていました。

国民党:政府が持つ資産を売却し、年金受給年齢を65歳

労働党:政府が持つ資産は保有し、年金受給年齢を67歳

過去に、有権者へ説明するときにこのような2者択一の条件を提示されたことがありますが、本来はそれぞれ違った争点だけを取り上げたこのような単純比較は好ましくはないです。政府が持つ資産売却の目的は、年金の財源を得るためのものではく、向こう数年間の借金の負担を軽減することとが主な目的で、そのため、いまの財政悪化をどのように回避し将来の負債をなくしていくのかが語られるべきで、当然この主張の反論として、労働党の政策に耳を傾ける必要があります(政府保有の資産売却をしないなら、どのようにして財源を確保するのか)。受給年齢の引き上げは、将来の税収と人口構成がどのように変化しているかによって、さらに改定される可能性が高いので、いま65歳で大丈夫だと国民党が主張しても、次の選挙では、67歳と68歳の議論になっている可能性もあります。政策としてこの受給年齢にだけ注目したとき、この年齢は一度引き上げると下げられる可能性が低いので、現行の65歳をなるべく先延ばしにするほうが、さらなる年齢の引き上げを遅らせることに寄与します。つまり、(特に年金受給年齢に近い)人々の支持を得やすい政策のひとつです。しかしながら、キウィセーヴァーの財源が足りないと判断されれば、その遅らされた年齢の引き上げが急に実施される可能性は否定できません。同時に、政府のコントリビューションの減額と、年金支給額の減額の可能性もあり、この年金に限って言えば、”絶対にこうなる”といった、100%の確証を誰も持っていません。数十年先の話なので当たり前といえば当たり前で、彼らが正直であることの裏返しでもあるように思います(ディベートのときも、(その財源を語るフィル・ゴフの主張を除いて)年金についての議論はどちらかとえば、どちらも理想論を語っているように見受けられました)。話を元に戻すと、いま政府所有の資産売却が必要かどうかを考えながら、年金受給年齢について考えるのではなく、どちらの政策がいまの自分の関心を引くのか(たとえば、いま60歳の方なら国民党の政策に靡くのは当然かもしれません)、それで判断するほうが健全だと思います。


あと、彼らの主張に、なぜこれほどの違いがあるのかを、”将来の成長予測”を喩えにして物凄く簡単に説明すると、こんな感じになります(あくまで例であって実態を反映していません)。将来の成長予測を5%と仮定して、想定誤差を±2%と仮定すると:

国民党の成長予測は、誤差+2% 7%の楽観論

労働党の成長予測は、誤差-1% 4%の現実論

だから、国民党は、政府保有の資産を売却しても、将来の成長が確実であれば(買い戻せるので)問題ないと楽観的に考えているようにみえます。労働党は、政府の資産は国民の財産で、基本的には海外へ売却するのは望ましくないと考えており、いいかえれば、楽観も悲観もしていない、どちらかといえば、(将来切り札になるかもしれない資産を)売却をするのは好ましくなく、他の財源を再検討するべきだと、主張しています。この考え方でディベートをみると、7%と4%では政策の根本的な違いは至極当然で、同時に、なぜフィル・ゴフが必死に財源の確保を叫んでいたのかが理解できると思います。

ディベート全体でみると、ジョン・キーは終始落ち着いた振る舞いで、質問に答えないことが多々あったにせよ、聞く姿勢が伺われたれたのに対し、フィル・ゴフは、ホストよりもジョン・キーへ向かい話すことが多く(GSTの嘘つき発言では彼の表情を崩していました)、また相手の話が納得できなかったのか持論に固執してしまい、柔軟性は保っていたものの、不必要に堅いイメージが色濃く残ったように思います。ただ、顔色だけみると、ジョン・キーのあの乾いた肌と、疲れがみえる表情に邪気すら感じられ、フィル・ゴフは数時間前に起きたかのようなすっきりとした表情で、眼光もいつもよりも柔らかで、ヴィジュアルで評価すれば、フィル・ゴフが健闘していたように思います(スタジオの照明と雰囲気をみると、陰影が付きにくい光が当たっていた、左に立つフィル・ゴフ有利にもみえました。もしくは、彼が常に頬を上にあげ、顔に光を当てようとしていたのかもしれません)。

なお、8時30分のTVNZの投票結果では:

ジョン・キー 61%

フィル・ゴフ 39%

たぶん、ジョン・キーはこの結果に楽観していないと思います。


詳細はまたあらためて。

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